第67回 勝兵塾月例会レポート

塾長・最高顧問 元谷 外志雄

塾長・最高顧問 元谷 外志雄

 勝兵塾第67回月例会が、12月15日(木)にアパグループ東京本社にて開催されました。
 冒頭のアパグループ元谷外志雄代表による塾長挨拶では、「勝兵塾も東京では第67回となり、金沢、大阪と合わせて、これまで延べ12、000人近くの方々に参加していただき、日本の保守化に貢献してきた。」と勝兵塾の果たしてきた意義を語られました。続いて、12月8日に明治記念館で開催された、第9回「真の近現代史観」懸賞論文表彰式及び受賞作品集出版記念パーティーの模様を視聴しました。

参議院議員 佐藤正久様

参議院議員 佐藤正久様

 参議院議員の佐藤正久様は、「国会議員になって10年になるが、未だに『ひげの隊長』という名称の方がよく知られている。元自衛官であり、防衛や防災に取り組んでいる。軍隊と警察の違いは、軍隊は国の独立を守り、警察は治安を維持するところにある。国の独立とは主権、領土、国民を守ることである。北方領土では、択捉、国後にはロシア軍隊がおり、歯舞、色丹には警察しかいない。領土問題を考える上では、軍隊がいるかいないかの重みの違いを考えていかなければならない。南スーダンのPKOについて、PKOは平和維持活動であり、本来は軍隊の仕事ではないが、軍隊にしかできない仕事でもある。民主党政権時代に南スーダンへ自衛隊が派遣され、今回新たな任務が加わった。南スーダンへは、世界で約60か国が人を派遣しているのに、世界第三位の経済大国である日本が何もしなくてよいはずはない。最近、自分さえよければ良いという風潮が強まっているが、困った人を助けるのは当然である。自衛隊も警察も、自分さえ良ければ良い、となれば終わりである。いざというときに大切なものを守る自己犠牲の精神が必要である。家族より自分、故郷より自分、国より自分が大切では困る。日本青年会議所の調査で、北方領土や尖閣諸島はどこにあるか、400人の高校生に聞いたところ、正解者は7名であった。これは近現代史を学校で教えていないからである。また、世界価値観調査では、『自分の国が攻められたときに戦うか』という質問に対して、『戦う』と答えた日本人は15%で、対象国中最下位だった。この背景には、教育だけでなく、憲法の問題もある。現行の日本国憲法には、国防についても、抑止力についても規定がない。第三章は、国民の権利や自由に対して義務や責任の項目が少なく、バランスを欠いている。国民の防衛意識を超える防衛体制を構築することはできないが、政治家は国民のせいにしてはいけない。防衛意識を高めるよう国民を説得していく必要がある。」と、日本の防衛の在り方と国民の防衛意識について問題提起をされました。

弁護士で医学博士で、専門学校校長の籔本恭明様

弁護士で医学博士で、専門学校校長 籔本恭明様

 弁護士で医学博士で、専門学校校長の籔本恭明様は、「現行憲法について、少なくとも、第九条、家族の規定、義務の規定の3つの条項の改正が必要である。まず、自分の国を守ると言ったら右翼と呼ばれる国はロクでもないことである。集団的自衛権に批判する人々もいるが、例えば、秦は、周辺の国々と個別に和平を結びつつ、遠交近攻でそれぞれの国を滅ぼして中国を統一した。また、先の大戦では、チェンバレンがヒトラーに対してズデーデンの割譲を認めたことが大戦に繋がった。このように、和平の裏には侵略の意図があり、口先だけの平和主義が戦争をもたらすことは歴史が証明している。また、家族は社会を構成する要素であり、しかも、社会を構成する要素のうち、再生するのは家族のみである。家族を大事にしないと国が滅びるため、家族を社会の最小の構成単位であることを明確に規定する必要がある。また、権利の裏には義務があり、この義務を規定する必要があるが、保守の中にも義務の規定に反対する人々がいる。それは、近代の憲法観では、絶対王政から国民の自由を守るために、国家権力を縛るのが憲法の役割だと考えているからである。しかし、我が国には絶対王政はなかった。天皇による国民の人権侵害を防ぐために明治憲法を制定したわけではない。近代の憲法観では、統治者と被統治者の対立構造で歴史を捉え、統治者は悪で被統治者は善、としている。この憲法観がある限り、本当の意味での我が国の再生は難しい。次に運動論であるが、国会議員で三分の二を確保して憲法改正を発議しても、国民投票で過半数を確保することが課題である。これまで署名活動などの運動をしてきたが、反応が非常に鈍い。先般のアメリカ大統領選挙は、SNSを活用した選挙だった。正しい知識をSNSでシェアし、さらに知人にシェアを呼びかけることで、広く伝えていくことが大事である。憲法には義務の規定がないと言ったが、東京裁判史観を含む現代の歴史観では、世の中を対立構造で捉えているのではないかと感じている。例えば、旧約聖書はホロコーストが原体験になっている。対立構造の行きつく先は、ホロコーストか改宗か洗脳しかない。洗脳するために相手の歴史を書き換えるのが対立構造の行きつく先ではないか。マルクスの三原則は史的唯物論、剰余価値論、共産社会主義であるが、共産社会主義の二つの原則のうちの一つが、闘争によって政権を奪取するということである。マルクスの思想の原点はヘーゲルの弁証法にある。ヘーゲルの弁証法の三原則は、対立物の統一、量と質の転化運動、否定の否定にあるが、その根本にあるのが対立物の統一である。つまり、対立して新しいものにアウフヘーベン(止揚)するということである。一方、近代の理系の考え方は、仮説に対する反証である。この場合、対立構造にはならない。ヘーゲルの弁証法は、対立物は戦うという考え方であるが、一方で、対立するものが同時に存在することで世の中が安定している。物事が安定するためには、三極ある必要があり、二極では不安定である。ジョセフ・ナイの『国際紛争』において、彼の分析によれば、多極構造にあった世界が二極化したときに第一次世界大戦も第二次世界大戦も起こっている。対立構造から紛争を生んでいることは歴史が証明している。その点、日本の神話を読めば、国譲りの神話ではホロコーストのようなことはない。戦う決意はあっても相手を徹底的に虐殺するような歴史は、我々にはない。教育勅語に、『わが臣民よく忠によく孝に』という言葉がある。この『臣民』という言葉は儒教にはない。儒教では『臣』と『民』とを並立させることは絶対にない。我が国は、天皇を頂点に、統治者である『臣』と被統治者である『民』を並列に置いている国である。すなわち、天皇を置くことで対立構造を避けている、素晴らしい知恵を持った国なのである。文明国であると言えるためには、少なくとも、罪刑法定主義、法の不遡及、一事不再理の三つの原則が必要である。東京裁判を振り返れば、罪刑法定主義にも法の不遡及にも大きく違反している。正しい知識を広めていくことが必要であり、その先には東京裁判を覆し、聖書やマルクスの根底にある二極対立の構造を覆す、日本の正しい歴史観が広まっていくと信じている。」と、近代憲法観や歴史観の問題点を指摘され、憲法改正に向けた運動の進め方を提言されました。講師特待生の高山秀幸様から、「憲法改正について、黙秘権を規定した第38条は犯罪人を守ることになりはしないかと考えるがどうか」と質問がありましたが、籔本様は、「第38条は犯罪人を守るというより、無辜の処罰を避けるためのものである。第38条は変える必要はないと思うが、むしろロッキード裁判で最高裁がこの規定を無視したことを問題にするべきだと思う」と答えられました。

防衛大学校名誉教授の石川信隆様

防衛大学校名誉教授 石川信隆様

 防衛大学校名誉教授の石川信隆様は、「私はハルピンで生まれ、防衛大学を卒業後、自衛隊を経て、衝撃工学、防災工学、砂防構造物を専門に防衛大学で教えてきた。PKOの主力部隊は施設部隊である。平時は道路建設などを行い、有時には地雷原の爆破などを行う、平時と有時に活躍する部隊である。防衛大学での経験を活かし、現在は環境防災コンシェルジェというNPO法人を立ち上げて活動している。日本は自然災害が多い国であり、いかに国土を守るか、災害に備えるか、という問題について、官民学のパイプ役となっている。自然災害に対する備えとして、環境への負荷が小さく災害時に活躍する防災構造物として、鋼製透過型砂防堰堤というものがある。開口部が魚道の役割を果たして生態系にやさしいが、土石流や流木を捕捉することができる。また、防災シェルターというものもある。」と、防災に対する官民学が連携した活動を紹介されました。

在日本ルーマニア商工会議所会頭の酒生文弥様

在日本ルーマニア商工会議所会頭 酒生文弥様

 在日本ルーマニア商工会議所会頭の酒生文弥様は、「ウクライナとルーマニアの間にモルドバという国がある。ルーマニアとモルドバは、元は一つの国であったが、現在は分断されたままである。11月30日のナショナル・デー祝賀会場で、長島昭久ルーマニア友好議連幹事長から、『ルーマニア』の日本語での呼称を『ローマニア』に改正する議連決議が成立し、外務省に強く働きかけることを宣言していただいた。ルーマニア人はローマ帝国の末裔であることを誇っている。欧米文明の根幹を作ったのがローマ帝国であり、日本での呼称が『ローマニア』になれば、ローマと関係があることを日本人が知ることになる。私はルーマニアとモルドバのブランド化をしていきたい。ルーマニア王室も保護してきた、野球に似たスポーツである『オイナ』の、2020年東京オリンピック『参加競技』入りを目指している。ルーマニアには、ドイツをルーツとするホーエンツォレルン家という王家がある。高円宮久子妃殿下とお話しした際に、ホーエンツォレルン家とは直接親交があることをお話しされていた。」と、ルーマニアのルーツや日本との関係について語られました。

衆議院議員・消費者問題特別委員長の原田義昭様

衆議院議員・消費者問題特別委員長 原田義昭様

衆議院議員・消費者問題特別委員長の原田義昭様は、「トランプ次期政権がどのような外交、安全保障、経済政策を採るのか想像がつかないが、少なくともアメリカ・ファーストであることだけは確かである。ドル高円安が進んでいるが、円安が日本にとって良いのかよく考えなければならない。また、プーチン大統領が来日し、安倍総理と会談を行っているが、安倍総理は国益のために頑張っている。韓国の政権は厳しい状況にあるが、個人的には朴槿恵大統領をそこまで責めるのはいかがなものかと思う。韓国が早くガバナビリティーを取り戻して、日韓が同じイデオロギーの下でよい関係を保っていかなければならない。」と、日本を取り巻く国際情勢に対する思いを述べられました。

民進党千葉県第二区総支部総支部長の樋口博康様

民進党千葉県第二区総支部総支部長 樋口博康様

 民進党千葉県第二区総支部総支部長の樋口博康様は、「剣道は、一般には敷居の高いスポーツではある。辛い稽古もあったが、剣道を通じて、自分自身と向き合うことができた。剣道とは文字通り剣の道である。他にも武道があり、また茶道や華道などのように文芸の分野でも『道』がある。松下幸之助塾主は『商道』という言葉を使っていた。『道』とは日本人にとって大切な考え方であり、自分自身と正面から向き合い、人生を見つめるものである。はじめは勝ちたいということに気を取られ、昇段試験に何度も失敗して挫折しそうになったが、同じ道を歩む仲間がいたから励みになった。しかし、基本的には自習自得であり、自分で何かを見つけて乗り越えていかなければならない。相手を倒すために強くなるのは通過点である。全日本剣道連盟による剣道の心構えには、『常に自己の修養に努め 以って国家社会を愛して 広く人類の平和繁栄に 寄与せんとするものである』とある。今の日本の政治を見て、基本となるべき道を見失っているのではないかと危機感を持っている。日本が世界に最も貢献できることは、限られた国土で多様な人々が共生してきた、日本古来の考え方の中にある。」と、剣道での経験を通じて、日本古来の考え方の大切さを訴えられました。

トランプが学んだ大学教授、米博物館にトランプと共に展示 サー中松博士

トランプが学んだ大学教授、米博物館にトランプと共に展示 サー中松博士

 トランプが学んだ大学教授、米博物館にトランプと共に展示 サー中松博士は、「籔本さんの話は是非本にしてほしい。」とコメントされた後、「現行憲法は違法であり無効であると考えるが、この点についてどう考えるか」と質問されました。籔本様は、「本来、現行憲法は無効であり、8月革命などというフィクションを創ってこじつけてきたが、憲法学者は現行憲法を正当化できていない。しかし、現実的には現行憲法の下で条約が締結され、法令が作られていることから、現行憲法を無効にしてしまうと法秩序が崩れてしまうという問題がある。したがって、現実問題として現行憲法を無効とすることは難しいと考えている。」と答えられました。さらに、中松様は、「私は海軍兵学校および海軍機関学校を卒業している。防衛大学は海軍機関学校をコピーしたものなので、石川先生は私の後輩のようなものだ。これからも是非頑張ってほしい。」とコメントされました。

史実を世界に発信する会会長代行の茂木弘道様

史実を世界に発信する会会長代行 茂木弘道様

 史実を世界に発信する会会長代行の茂木弘道様は、「史実を世界に発信する会が発足して10年になる。歪曲された歴史が世界中で蔓延っているが、日本の名誉を守るために、正しい歴史を英語で発信していく活動を行っていく。また、発信するだけでなく、正しい歴史に関する文献をホームページに掲載して、歴史のアーカイブスを作っている。ヘンリー・ストークス氏の『英国人記者が見た 連合国戦勝史観の虚妄』は、3年前に10万部を超えるベストセラーになったが、共同通信が、訳者がストークス氏の言葉を捻じ曲げたと報じたことで、販売が止まった。そこで、英語の原文をアメリカで出版することにした。ストークス氏はオックスフォード大学を卒業して、フィナンシャル・タイムズ、ニューヨーク・タイムズ、ザ・タイムズ、ロンドンタイムズの東京支局長を歴任したジャーナリストであり、そうした経歴を持つストークス氏が、日本滞在中に史実を知り、大東亜戦争侵略戦争論の誤りに気づき、南京大虐殺は存在せず、慰安婦問題は論ずるに値しないと書いた点で、この本は画期的である。日本国内だけでなく、アメリカでもプロモーションをしてもらうため、有力者に寄贈するだけでなく、広く知人にプレゼントしてもらおうと呼びかけている。トランプ次期大統領にも読んでもらおうと様々なルートで働きかけている。日本に対する誤ったイメージを改める突破口になるのではないかと期待している。」と、ストークス氏の著書の英語での出版に際しての取り組みを紹介され、協力を呼びかけられました。

 

 最後に塾長は、「茂木氏も共著者となっている『日米戦争を起こしたのは誰か ルーズベルトの罪状・フーバー大統領回顧録を論ず』では、『フーバー回顧録』に基づき、先の大戦を起こしたルーズベルトの罪状を明らかにしている。しかし、『フーバー回顧録』の完全な日本語訳はまだないということなので、是非日本語訳にしてもらいたい。私の解釈では、フーバーが大統領に再選されなかったのは、世界大恐慌に対してニューディール政策を行っただけでは効果がなかったためであり、ルーズベルトはフーバーの二の舞にならないよう、戦争を起こすことで世界大恐慌から脱しようとしたのである。そこでアメリカが、イギリスとフランスに対して裏保証をしたから、イギリス、フランスはルーマニアとポーランドの独立を保証した。その証拠に、イギリスとフランスはドイツに対して宣戦布告をしたが、しばらくは戦闘が起こらなかった。ルーズベルトは、アメリカ国内で戦争反対の声が大きかったため、なかなか参戦できなかったが、日独伊三国軍事同盟ができたことで、日本を暴発させてヨーロッパでの戦争に参加した。ルーズベルトはユダヤ人だったという説もあり、こうした戦争の背景には、ユダヤによる世界共産革命があり、近年のグローバリズムもユダヤの金融資本による支配という面があると考えることもできる。私は勝兵塾で特定の考えを押し付けるのではなく、皆が興味を持ったことを自分で調べて、本当はどうなのかを知って欲しいと思っている。」と、第二次世界大戦の謀略について一つの仮説を紹介され、真実の追求の大切さを強調されて、会を締め括られました。